2024年4月5日金曜日

ニュースレター 〜若い世代からのメッセージ〜 Vol.6

「楽しさと危険が隣り合わせの河川の安全を守る仕事に日々邁進」
 国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 流域治水課
宮武 大徳(みやたけ ひろのり)さん(24歳) 


 私は現在、徳島河川国道事務所 流域治水課で吉野川の整備にかかわる仕事をしています。私は徳島出身ではありませんが、子供のころから河川敷で虫取りやスポーツ、釣りをしたりして、川と親しみながら育ちました。その経験から、河川周辺の災害対策や、河川敷の自然や広い土地を活かして人々が楽しめる場所を整備する仕事がしたいと思うようになりました。
私の初めての仕事場所となった吉野川の魅力と言えば、上流では、急崚な地形を活用した「ラフティング」、下流では広大な川幅や河川敷を活かしたイベントなどが開催されており、多種多様な方法で楽しめ、且つ人々との交流の場がある場所として多くの人に親しまれているところだと思います。吉野川に限らず、河川周辺は、自然やアウトドア体験やイベントが多く開催される場所の一つであり、楽しい空間です。しかし、洪水等により水が氾濫したときは危険な場所になります。
 私が現在取り組んでいる仕事は、吉野川上流の堤防整備が未了である地区の堤防整備についての計画や、過去に発生した台風や大雨などの災害から、どれほどの規模の水害によって吉野川が氾濫し、流域がどの範囲まで浸水するのかを想定し、その結果から「多段階浸水想定図」や「水害リスクマップ」などを作成し、被害を見える化する事業です。
吉野川は先に述べたような魅力がある反面、「四国三郎」と呼ばれる日本三大暴れ川という側面を持ち、水害から命を守るために昔から多くの対策が実施されています。今私が関わっている事業も、水害対策において重要な事業の一つであるという自覚を持ち、日々取り組んでいます。
 皆さんも、川に遊びに行く際には、ネットなどで公開されているリスクマップや周辺の天気を確認し、安全への配慮についても欠かさず、川と親しんでほしいと思います。

Vol.7徳島県立博物館 学芸員 井藤 大樹(いとう たいき)さん

vol.7
美しい川や海に恵まれた徳島は魚の宝庫。
学芸員として魚の魅力、自然の豊かさを伝えます
井藤大樹さん
 夏休みに開催している「交流体験inよしのがわ」の「おさかな博士の川魚かんさつ」は毎年人気のイベント。令和1年(2019)からおさかな博士を務めてくださっているのが、徳島県立博物館学芸員の井藤大樹(いとう たいき)さん(35歳)です。
井藤さんは香川県小豆島生まれですが、2歳〜小3までお父さんの仕事の関係で、徳島市上八万町で暮らしました。文化の森はホームグラウンドで、「園瀬川で魚をつかまえて水槽で飼ってた」という井藤少年。「川に潜って魚を見ると、光に輝いてとてもきれいなんですよ」―おさかな博士のルーツはここにありそうです。
 近畿大学農学部へ進学した井藤さんは、日本の淡水魚研究の第一人者・細谷和海先生のもとで、コイ科 のオイカワやハスの仲間の系統分類の研究に打ち込みました。大学院を修了後、いくつかの職を経て、平成31年(2019)4月に徳島県立博物館に赴任しました。
 

子ども達に魚のつかまえ方を指導する井藤さん


 学芸員の仕事は、調査研究、資料の収集と保存、展示解説や出前授業などの教育普及と、なかなか多忙です。井藤さんの専門は川や湖沼などの淡水域に生息する魚類で、特にコイの仲間やホトケドジョウの仲間の研究をしています。なかでも、ナガレホトケドジョウは井藤先生の研究グループが新種記載したのだとか。また、県内の河川の魚類相や、徳島県沿岸やその周辺に生息する魚の分布についても幅広く調べています。
 井藤少年の魚好きを育んだ園瀬川は、現在は調査・研究のフィールドです。「市街地の河川にしては、すごくきれい」と井藤さん。絶滅危惧種のスナヤツメ南方種をはじめ、希少な魚も数多く生息しているとか。では、吉野川は?
 「吉野川は淡水魚の多様性が高い」と井藤さん。特に河口付近の汽水域が広いのが特徴で、川にすむ魚だけでなく、海にすむ魚、トビハゼをはじめとする汽水域特有の魚も見られます。干潟にはシオマネキやルイスハンミョウなどの希少な生物も多く、まさに生物の宝庫です。
 吉野川はとにかく広大で、調査はまだまだこれからだとか。ナガレホトケドジョウに続く新種発見があるかもしれませんね。楽しみです。

県民コレクション「県民としらべる!徳島の魚」では、
阿波魚類研究会と協同で県内の海や川で行った調査の成果を
紹介しました

井藤さんの研究グループが2018年に新種として記載。
また、愛知県と静岡県の一部に分布する
トウカイナガレホトケドジョウも
2019年、新種として記載しました
井藤大樹さんプロフィール
徳島県立博物館 脊椎動物担当学芸員。
1988年香川県小豆島生まれ。2016年近畿大学大学院農学研究科博士後期過程修了。博士(農学)取得。2016年~環境省近畿地方環境事務所吉野自然保護官事務所にて自然保護官補佐を務める。2017年~特定非営利活動法人日本国際湿地保全連合研究員。2019年~徳島県立博物館学芸員。
日本魚類学会、日本生物地理学会に所属。


機関誌「四国三郎吉野川」vol.42を発行しました。


是非お手にとってご覧ください。 機関誌のページでもご覧いただけます。

2024年1月11日木曜日

吉野川流域の魅力をパネルで紹介します!令和5年度「吉野川魅力発見パネル展」

 徳島県では、吉野川から得られる「恵み」を「にぎわい(観光・交流)」、「なりわい(産業振興)」、「かたらい(歴史・文化・環境)」の3つの視点で捉え、「川の魅力」を県内はもとより全国にPRする取組を通して、地域振興に役立てる「恵みの宝庫“吉野川”創造プロジェクト」に取り組んでいます。
 この一環として、県内外の方々に、吉野川の魅力をお伝えするため、パネル展を開催いたします!

◎期  間 令和6年1月16日(火)から1月31日(水)まで

◎場  所 徳島阿波おどり空港 ターミナルビル1階到着ロビー
     (〒771-0213 徳島県板野郡松茂町豊久字朝日野16番地2)

◎内  容 (1)川を通じたイベント活動への取組
      (2)”吉野川サイコー”インスタフォトコンテスト受賞作品 など
 
◎主  催 吉野川交流推進会議、徳島県