2025年4月9日水曜日

ニュースレター 〜若い世代からのメッセージ〜 Vol.7

「若い人たちにもっと川に親しんでもらいたい」
今回は、徳島河川国道事務所の夏期実習(インターンシップ)に参加した徳島大学 理工学部 理工学科 社会基盤デザインコースの学生2名に吉野川の印象、インターンシップで学んだこと等を伺いました。


岡本 瑞季(おかもと みずき)さん(3年生) 
徳島に来て初めて見た吉野川は、実家周辺の川と比べてとても大きく、海かと思っていました。大学の新入生歓迎会の後に、先輩や同期たちと吉野川の河川敷で部活や趣味などについてたくさん話し仲を深めた経験があり、今は川が身近にあることで自然を感じる時間が多くなりました。川沿いや橋の上は涼しく、景色もいいので、気持ち良く過ごせる空間であることや、構造やデザインが異なる橋が多いことも素敵だと思っています。
今回の実習を通して、治水は様々な立場の人々が携わっていることを知りました。特に、流域住民の一人一人が川に対する意識や知識を高め、川と共生していくことが大切だと思いました。そのためにも、川を眺めながらゆっくりできる空間が増え、多くの人たちに川に親しんでもらうことができればいいなと感じています。




髙谷 結名(こうだに ゆいな)さん(2年生) 
徳島に来て初めて見た吉野川は、実家周辺の川と比べてとても大きく、海かと思っていました。大学の新入生歓迎会の後に、先輩や同期たちと吉野川の河川敷で部活や趣味などについてたくさん話し仲を深めた経験があり、今は川が身近にあることで自然を感じる時間が多くなりました。川沿いや橋の上は涼しく、景色もいいので、気持ち良く過ごせる空間であることや、構造やデザインが異なる橋が多いことも素敵だと思っています。
今回の実習を通して、治水は様々な立場の人々が携わっていることを知りました。特に、流域住民の一人一人が川に対する意識や知識を高め、川と共生していくことが大切だと思いました。そのためにも、川を眺めながらゆっくりできる空間が増え、多くの人たちに川に親しんでもらうことができればいいなと感じています。

Vol.8吉野川交流推進会議 会長 住友 康彦(すみとも やすひこ)さん

vol.8
世界に誇ることのできる吉野川を守り、魅力を発信し、
次の世代にしっかりとつなげていくことが私達の使命
住友 康彦さん

 福永義和さんから会長のバトンを受け取り、「当会議の会長も4代目。初代会長は銀行員時代に『支店経営は駅伝競争と同じで、自分が受け取った襷をより良い状態で次のランナーに渡すことが大切』と常々話していました。歴代会長の功績を引き継ぎ、より発展させていきたい」と引き締まった表情で語る住友康彦さん(63歳)。阿波銀カード㈱取締役社長としてご多忙のなか、吉野川への思い、就任に際しての抱負等をうかがいました。
 「銀行員時代は県外での勤務が長く、帰郷して吉野川を渡るたびに、その美しさと水量の豊かさに感嘆していました。また、アドプト・プログラム吉野川で、職場の人達と清掃活動に汗を流した場所でもあります」と住友さん。
 幼い頃は魚獲りや堤防でのつくし採りで親しんだ吉野川。社会人になり、少年ラグビースクールのコーチとして河川敷グラウンドに通っていた頃は「吉野川が季節の移ろいの中で様々な美しい姿を見せてくれることに感動していました。夏には合宿で吉野川源流域の高知県本山町まで子ども達を引率していったこともありましたね。高知のチームと交流したり、川で泳いだり、地元の花火大会に参加したりね」と懐かしそうに語ります。気がつけばすっかり柔和な笑顔に。実は住友さんは当会議の初代会長・住友俊一さんの長男。そういえば笑った目元がそっくりです。
 「おすすめの風景は、脇町潜水橋を下流側の堤防から見た景色です。幼い頃からお墓参りで穴吹町に通うたび見ていたはずですが、大人になってある時、なんと美しい風景であったのだろうと気づきました」………私達が何気なく見過ごしていたり、気づいていないものがたくさんある。吉野川もそのひとつ。「吉野川の水質・水量、そして変化に富んだ流域の景観は、世界の大河と比べてもひけをとらず、それどころか世界に誇れるものです。この郷土の川を私達の手で美しく保ち、後世につないでいくという当会議の事業に真剣に取り組んでいきたい」と熱く語ってくれました。
 


 社長室には、河口の代表的景観が描かれた美しい油彩画が飾られています

阿波銀行のアドプト区間は「うちの土手」という愛称で行員に親しまれています



夕暮れの脇町潜水橋。山田洋次監督の映画『虹をつかむ男』でも描かれた美しい風景 


2024年12月7日土曜日

まるごと吉野川魅力再発見講座(2024年12月21日)開催案内

チラシPDF


<参加者募集は終了しました>

「恵みの宝庫“吉野川”創造プロジェクト」の一環として、吉野川との関わりによって育まれてきた歴史・文化・環境をテーマに、吉野川の魅力をお伝えする「まるごと吉野川魅力再発見講座」を開催します。

◎開催日 
 令和6年12月21日(土)12:15~17:30

◎内容
 吉野川流域の伝統産業工業等を巡る~四国三郎・吉野川下流域バスツアー~

◎対象・定員
 20名程度(申込多数の場合は抽選)
 (小学生以下は保護者同伴)
 
◎参加費 無料

◎申込〆切
 令和6年12月16日(月)17時必着

◎申込方法
 添付の「チラシ」の申込書または必要事項を記入し、次のいずれかの方法でお申し込みください。

 1.メール kasenseisakuka@pref.tokushima.lg.jp
 2.郵送  〒770-8570徳島市万代町1丁目1番地
        徳島県庁 河川政策課 宛

※詳細はチラシでご覧ください。

2024年9月25日水曜日

「利根川流域フォーラムinみなかみ町」(令和6年10月18日・19日)開催案内

クリックでPDFが開きます。


<「利根川流域フォーラムinみなかみ町」については、参加者募集締め切りました>

 吉野川と兄弟縁組をしている「利根川」のイベントです。
※開催内容・お申し込みについては上記PDFファイルをご覧ください。
※会員の方が参加を希望される場合は、令和6年9月30日(金)午前11時までに、吉野川交流推進会議事務局(電話088-621-2743)まで御連絡ください。

2024年7月3日水曜日

「交流体験 in よしのがわ 2024」参加者募集について(終了)

<イベント・参加者募集は終了しました>
徳島県内小中学生とその保護者の方を対象に、吉野川の良さを実感してもらうとともに、川を通じた交流を深めるため、今年も「交流体験 in よしのがわ」を開催します。
※詳細については、募集チラシをご覧ください。
※応募者多数の場合は、申込単位で抽選します。


■申込方法(上流編・中流編・下流編共通)
申込書に記入の上、次のいずれかの方法でお申し込みください。
□郵送の場合
 〒770-8570 徳島市万代町1丁目1番地
 徳島県庁 生活環境政策課内 「吉野川交流推進会議」宛

□メールの場合
seikatsukankyouseisakuka@pref.tokushima.lg.jp
 ※抽選結果はメールでお知らせしますので、メールを受信できるようにしてください。

 ※メール件名に「上流編or中流編or下流編」、本文に次の項目を記載してください。
   本文への記載事項
 1 代表者氏名
 2 代表者携帯電話
 3 代表者居住市町村名
 4 参加者全員の氏名と年齢
   ・上流編に申込の方は、参加者全員の身長と体重 
 5 上流編(ウォータースポーツ)、中流編(カヌー)に申込の場合、
   保護者の方が「体験に参加」or「見学」いずれかを記載してください。


■参加費 無料

■上流編 「水難事故防止講習&ウォータースポーツ体験!」
・開催日 2024年8月3日(土)受付12:00~(開始12:30~)
・集合場所 池田湖水際公園(詳細はPDF裏面参照)
・対象・定員 徳島県内の小中学生とその保護者20名程度
・主催 吉野川交流推進会議・国土交通省・徳島県
・申込締切 2024年7月24日(水)必着  
・申込書・募集チラシ 2024年交流体験inよしのがわ(上流編)【PDF添付】

■中流編 「水難事故防止講習&カヌー体験」
・開催日 2024年7月23日(火)受付9:30~(開始10:00~)
・集合場所 AMEMBO事務局(美馬市美馬町中鳥地先)
・対象・定員 徳島県内の小中学生とその保護者35名程度
・主催 吉野川交流推進会議・国土交通省
・申込締切 2024年7月16日(火)必着 
・申込書・募集チラシ 2024年交流体験inよしのがわ(中流編)【PDF添付】

■下流編 おさかな博士の川魚かんさつ&水難事故防止講習
・開催日 2024年8月5日(月)受付9:00~(開始9:30~)
・集合場所 鮎喰川・梁瀬橋(やなせばし)付近(徳島市入田町)
・対象・定員 徳島県内の小中学生とその保護者30名程度
・主催 吉野川交流推進会議・国土交通省
・申込締切 2024年7月24日(水)必着 
・申込書・募集チラシ 2024年交流体験inよしのがわ(下流編)【PDF添付】


■天候不良等により、中止または開催内容を変更する場合があります。

2024年4月5日金曜日

ニュースレター 〜若い世代からのメッセージ〜 Vol.6

「楽しさと危険が隣り合わせの河川の安全を守る仕事に日々邁進」
 国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所 流域治水課
宮武 大徳(みやたけ ひろのり)さん(24歳) 


 私は現在、徳島河川国道事務所 流域治水課で吉野川の整備にかかわる仕事をしています。私は徳島出身ではありませんが、子供のころから河川敷で虫取りやスポーツ、釣りをしたりして、川と親しみながら育ちました。その経験から、河川周辺の災害対策や、河川敷の自然や広い土地を活かして人々が楽しめる場所を整備する仕事がしたいと思うようになりました。
私の初めての仕事場所となった吉野川の魅力と言えば、上流では、急崚な地形を活用した「ラフティング」、下流では広大な川幅や河川敷を活かしたイベントなどが開催されており、多種多様な方法で楽しめ、且つ人々との交流の場がある場所として多くの人に親しまれているところだと思います。吉野川に限らず、河川周辺は、自然やアウトドア体験やイベントが多く開催される場所の一つであり、楽しい空間です。しかし、洪水等により水が氾濫したときは危険な場所になります。
 私が現在取り組んでいる仕事は、吉野川上流の堤防整備が未了である地区の堤防整備についての計画や、過去に発生した台風や大雨などの災害から、どれほどの規模の水害によって吉野川が氾濫し、流域がどの範囲まで浸水するのかを想定し、その結果から「多段階浸水想定図」や「水害リスクマップ」などを作成し、被害を見える化する事業です。
吉野川は先に述べたような魅力がある反面、「四国三郎」と呼ばれる日本三大暴れ川という側面を持ち、水害から命を守るために昔から多くの対策が実施されています。今私が関わっている事業も、水害対策において重要な事業の一つであるという自覚を持ち、日々取り組んでいます。
 皆さんも、川に遊びに行く際には、ネットなどで公開されているリスクマップや周辺の天気を確認し、安全への配慮についても欠かさず、川と親しんでほしいと思います。

Vol.7徳島県立博物館 学芸員 井藤 大樹(いとう たいき)さん

vol.7
美しい川や海に恵まれた徳島は魚の宝庫。
学芸員として魚の魅力、自然の豊かさを伝えます
井藤大樹さん
 夏休みに開催している「交流体験inよしのがわ」の「おさかな博士の川魚かんさつ」は毎年人気のイベント。令和1年(2019)からおさかな博士を務めてくださっているのが、徳島県立博物館学芸員の井藤大樹(いとう たいき)さん(35歳)です。
井藤さんは香川県小豆島生まれですが、2歳〜小3までお父さんの仕事の関係で、徳島市上八万町で暮らしました。文化の森はホームグラウンドで、「園瀬川で魚をつかまえて水槽で飼ってた」という井藤少年。「川に潜って魚を見ると、光に輝いてとてもきれいなんですよ」―おさかな博士のルーツはここにありそうです。
 近畿大学農学部へ進学した井藤さんは、日本の淡水魚研究の第一人者・細谷和海先生のもとで、コイ科 のオイカワやハスの仲間の系統分類の研究に打ち込みました。大学院を修了後、いくつかの職を経て、平成31年(2019)4月に徳島県立博物館に赴任しました。
 

子ども達に魚のつかまえ方を指導する井藤さん


 学芸員の仕事は、調査研究、資料の収集と保存、展示解説や出前授業などの教育普及と、なかなか多忙です。井藤さんの専門は川や湖沼などの淡水域に生息する魚類で、特にコイの仲間やホトケドジョウの仲間の研究をしています。なかでも、ナガレホトケドジョウは井藤先生の研究グループが新種記載したのだとか。また、県内の河川の魚類相や、徳島県沿岸やその周辺に生息する魚の分布についても幅広く調べています。
 井藤少年の魚好きを育んだ園瀬川は、現在は調査・研究のフィールドです。「市街地の河川にしては、すごくきれい」と井藤さん。絶滅危惧種のスナヤツメ南方種をはじめ、希少な魚も数多く生息しているとか。では、吉野川は?
 「吉野川は淡水魚の多様性が高い」と井藤さん。特に河口付近の汽水域が広いのが特徴で、川にすむ魚だけでなく、海にすむ魚、トビハゼをはじめとする汽水域特有の魚も見られます。干潟にはシオマネキやルイスハンミョウなどの希少な生物も多く、まさに生物の宝庫です。
 吉野川はとにかく広大で、調査はまだまだこれからだとか。ナガレホトケドジョウに続く新種発見があるかもしれませんね。楽しみです。

県民コレクション「県民としらべる!徳島の魚」では、
阿波魚類研究会と協同で県内の海や川で行った調査の成果を
紹介しました

井藤さんの研究グループが2018年に新種として記載。
また、愛知県と静岡県の一部に分布する
トウカイナガレホトケドジョウも
2019年、新種として記載しました
井藤大樹さんプロフィール
徳島県立博物館 脊椎動物担当学芸員。
1988年香川県小豆島生まれ。2016年近畿大学大学院農学研究科博士後期過程修了。博士(農学)取得。2016年~環境省近畿地方環境事務所吉野自然保護官事務所にて自然保護官補佐を務める。2017年~特定非営利活動法人日本国際湿地保全連合研究員。2019年~徳島県立博物館学芸員。
日本魚類学会、日本生物地理学会に所属。